ランサムウェア攻撃の事例

ランサムウェア攻撃の事例 ランサムウェア
ランサムウェア攻撃の事例

本記事では、最新のランサムウェア攻撃事例をはじめ、日本国内外で発生したインシデントを紹介します。また、被害内容やランサムウェアの種類、攻撃手法などを企業別に解説し、ランサムウェア攻撃に関する知見を深めます。


ランサムウェアとは

ランサムウェアとは、感染した端末をロックしたりデータを暗号化したりすることで、被害者に身代金(ランサム)を要求するマルウェアです。身代金は仮想通貨などで支払うよう求められることが多く、感染したシステムはデータ復旧不可操作不能になることがあります。


ランサムウェアの最新傾向

感染経路の傾向(警察庁発表)

  • VPNの脆弱性:全体の63%
  • リモートデスクトップ接続の脆弱性:18%
  • 不審メールや添付ファイル経由:5%

さらに、近年は「ノーウェアランサム」という手法が登場しています。これはデータの暗号化を行わずに情報を窃取し、公開を防ぐための対価を企業に要求する新しい恐喝手法です。


ランサムウェア攻撃事例の紹介

関通と倉業サービスへの攻撃

2024年9月、関通倉業サービスが同時期にランサムウェア攻撃を受け、40社以上の顧客情報が漏洩しました。顧客である松竹やJPモルガンなども影響を受け、同一の攻撃者グループによる犯行の可能性が指摘されています。

KADOKAWAとニコニコ動画への攻撃

2024年6月、KADOKAWAグループがランサムウェア攻撃を受け、出版物の出荷ニコニコ動画のサービスが一時停止しました。取引先やクリエイターの個人情報も漏洩しましたが、クレジットカード情報の漏洩は確認されていません。


名古屋港の物流停止

2023年7月26日、名古屋港はランサムウェア感染により、全コンテナターミナルの運用を停止しました。調査の結果、リモート接続機器の脆弱性を悪用した不正アクセスが確認されています。


岡山県精神科医療センターの患者情報漏洩

2024年6月、岡山県精神科医療センターは5月のサイバー攻撃により、最大4万人分の患者情報が漏洩したと発表しました。脆弱性を突かれてデータが暗号化され、ダークウェブ上での公開も確認されています。


ニデックのグループ会社への攻撃

2024年6月、ニデックインスツルメンツがランサムウェア攻撃を受け、内部ネットワークが暗号化されました。被害の詳細は引き続き調査中です。


ランサムウェア「LockBit」の被害例

LockBitは「RaaS(サービスとしてのランサムウェア)」を提供し、攻撃者がランサムウェアを簡単に使用できる仕組みを提供しています。感染すると、ファイルが「.LockBit」拡張子に変わり、アクセス可能な全てのシステムが暗号化されます。


WannaCryによるインフラ攻撃

WannaCryは2017年に世界中で猛威を振るい、**Windowsの脆弱性「EternalBlue」**を悪用して拡散しました。被害は企業だけでなく、医療機関などの重要インフラにも影響を与えました。


対策と予防

ランサムウェアの対策には、以下のポイントが重要です:

  1. UTM(統合脅威管理)やEDRの導入
  2. 二要素認証(2FA)の実施
  3. 情報セキュリティ教育の徹底
  4. バックアップ体制の強化

企業はこれらの対策を組み合わせ、ランサムウェア攻撃への対応力を向上させる必要があります。


まとめ

ランサムウェア攻撃はますます巧妙化しており、VPNやリモート接続機器の脆弱性を狙う攻撃が増加しています。また、データ窃取のみを目的とする「ノーウェアランサム」や「二重恐喝」の手口も確認されており、企業は早急な対応が求められます。

情報セキュリティの強化迅速な対応で、被害の最小化を目指すことが重要です。

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