サイバー攻撃の防止を目的とした「能動的サイバー防御」法案の提出に向け、石破首相は早期の法案策定に向けた議論の加速を指示しました。石破首相は平デジタル大臣に、議論再開と迅速な作業を求め、有識者会議での検討を再開させる方針です。
一時中断されていた「能動的サイバー防御」の議論
政府の有識者会議は、今年8月に「能動的サイバー防御」に関する論点整理を行い、平時からの通信情報の収集・分析の重要性を示していました。しかし、9月の自民党総裁選や衆議院選挙の影響で議論が一時中断していました。
2024年11月7日、石破首相と平デジタル大臣が総理官邸で会談し、法案の国会提出に向けた作業を加速する方針で一致しました。会談後、平デジタル大臣は「議論をさらに加速させ、できるだけ早く法案をまとめたい」と述べ、法案提出への意欲を示しました。
自民党小野寺政調会長も「法案議論の加速」を要望
同日午前には、自民党の小野寺政務調査会長や木原前防衛大臣らが石破首相と会談し、今年9月に当時の岸田総理へ提出した党の提言を再度手渡し、速やかな法案作成と国会提出を要望しました。
小野寺氏は記者団に「政府に法案を早急に示してもらい、自民党としても議論を進めていきたい」と述べ、また野党との協力にも意欲を示しました。「国民民主党からの考えがあれば、超党派での議論を進めやすい」として、広範な協力に期待を寄せています。
参照
石破首相 能動的サイバー防御 “早期の法案提出へ作業加速を”
日米連携の課題と今後の展望
2024年7月、日本政府は民間通信事業者から収集した通信情報を米国と共有する方向で調整を進めていましたが、政局の影響で一時的に棚上げとなっていました。現在、米国では再びトランプ大統領が就任し、日米間のサイバー防御連携に新たな影響が生じる可能性があります。
今後の日本と米国の連携強化に注目が集まる中、「能動的サイバー防御」法案の進展は、国内外のサイバーセキュリティにおいて重要な鍵を握るでしょう。