企業・組織におけるゼロトラスト時代のEDR導入ガイド

企業・組織におけるゼロトラスト時代のEDR導入ガイド ランサムウェア
企業・組織におけるゼロトラスト時代のEDR導入ガイド

EDR(Endpoint Detection and Response)は、サーバやPC、モバイルデバイスの挙動を監視し、サイバー攻撃の脅威をリアルタイムで検知・対処するためのセキュリティソリューションです。特にゼロトラスト・セキュリティの実現には欠かせないものとして、多くの企業・組織に導入が進んでいます。


EDRとは? なぜ今注目されているのか

従来のセキュリティ対策は、ネットワークの「境界」を守ることが前提でしたが、働き方の多様化やサイバー攻撃の高度化により、その限界が露呈しています。特にランサムウェアなどの脅威は、既存のウイルス対策ソフトでは対応しきれないケースが増えています。EDRは、侵入を前提にしたセキュリティ対策であり、端末上での異常な動作をリアルタイムで検知し、迅速な対応を可能にします。


EDR導入のメリット・デメリット

メリット

  1. 高度な検知力
    パターンマッチングだけでなく、挙動分析を通じて未知のマルウェアも発見します。
  2. 迅速な対応
    感染が広がる前に感染端末の隔離やプロセスの停止を実行し、被害を最小限に抑えます。
  3. 詳細な分析・報告機能
    マルウェアの侵入経路や影響を分析し、フォレンジックレポートを提供することで、将来的な対策に役立てます。

デメリット

  1. コスト
    ユーザごと・端末ごとのライセンス費用が発生するため、大規模な導入には高額な投資が必要です。
  2. 運用リソース
    EDRが発するアラートへの対応には、セキュリティの専門知識を持つ人材が不可欠です。
  3. 防御だけでは不十分
    EDRは感染後の対応に特化しているため、EPP(Endpoint Protection Platform)やNGAV(次世代アンチウイルス)と併用することが推奨されます。

クラウド型 vs オンプレミス型のEDRの比較

項目クラウド型オンプレミス型
導入・管理インターネット経由で簡単に管理可能自社内での設置・管理が必要
コスト月額・年額課金が主流初期投資が高いが、長期的にはコスト減
柔軟性どこからでもアクセス可能セキュリティポリシーに合わせてカスタマイズ

EDR製品比較

Microsoft Defender for Business

  • 提供方式: クラウド
  • 特徴: Windows OS標準のEPP機能と連携
  • 料金: 月額449円/ユーザ
  • 強み: コストパフォーマンスに優れ、中小企業にも適したEDR

Elements Endpoint Protection(WithSecure)

  • 提供方式: クラウド
  • 特徴: EPP・EDR・脆弱性管理を統合
  • 料金: 問い合わせ
  • 強み: パッチ管理機能で未更新のソフトウェアを保護

SentinelOne XDR

  • 提供方式: クラウド
  • 特徴: AIによる挙動検知で誤検知を防止
  • 料金: 問い合わせ
  • 強み: 24時間365日のサポート対応が充実

Trend Vision One – Endpoint Security(トレンドマイクロ)

  • 提供方式: クラウド/オンプレミス
  • 特徴: PC、クラウド、サーバ全体を一元管理
  • 料金: 問い合わせ
  • 強み: 企業全体のセキュリティを一元管理でき、運用を効率化

EDR導入時のポイント

  1. 目的の明確化
    自社にとって必要なセキュリティレベルや対応範囲を明確にしましょう。
  2. 運用体制の整備
    アラート対応を迅速に行うため、運用フローと担当者の設定が必要です。
  3. EPP/XDRとの連携
    EDRだけでなく、EPPやXDRも組み合わせることで、セキュリティを強化できます。

まとめ:EDRはゼロトラストの実現に不可欠

EDRは、サイバー攻撃が高度化する中で、企業・組織のセキュリティ対策に欠かせないものとなっています。ゼロトラスト・セキュリティを実現するためには、侵入されることを前提にし、迅速な検知・対応を行えるEDRの導入が重要です。

企業のニーズに合ったEDR製品を選定し、適切な運用体制を整えることで、サイバー攻撃からの防御力を高めましょう。

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